...すると墻(かき)に絡(から)んだ蔦(つた)や庭に茂った草の色は...
芥川龍之介 「秋山図」
...蔦葛(つたかづら)に掩はれた木々の間(あひだ)を...
芥川龍之介 「沼」
...」とお蔦が笑う...
泉鏡花 「婦系図」
...あらかじめお蔦が美(うつくし)い指の節から...
泉鏡花 「婦系図」
...「蔦吉さんはもう落籍(ひき)ましたそうです...
泉鏡花 「婦系図」
...」「お蔦か、」と言った自分の声に、聞えた声よりも驚かされて、耳を傾けるや否や、赫(かっ)となって我を忘れて、しゃにむに引開けようとした戸が、少しきしんで、ヒヤリと氷のような冷いものを手に掴んで、そのまま引開けると、裏階子が大(おおき)な穴のように真黒(まっくろ)なばかりで、別に何にも無い...
泉鏡花 「婦系図」
...白いコンクリートの門柱に蔦(つた)の新芽が這いのぼり...
太宰治 「花燭」
...蔦芳は中村座の開場が近くなったので...
田中貢太郎 「幽霊の衣裳」
...また彼の生まれて初めて見たカブキで左団次(さだんじ)や松蔦(しょうちょう)のする芝居を見て...
寺田寅彦 「ラジオ・モンタージュ」
...玄関で彼女は蔦子の耳にささやいて...
豊島与志雄 「死の前後」
...枯れ蔦(つた)の幹や色褪(あ)せた菫(すみれ)などを静かに引き抜いた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...土塀の崩れた土から生えた灌木や芒(すすき)の茂りまたは倒れた石の門に這いまつわる野蔦(のづた)の葉が無常を誘う夕風にそよぎつつ折々軽い響を立てるのが何ともいえぬほど物寂しく聞きなされた...
永井荷風 「伝通院」
...お蔦 持って行くんだよ...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...……(お蔦とお妙奥へ消える...
三好十郎 「斬られの仙太」
...羊歯や蔦蔓の間から風化した切石が頭を擡げていた...
横光利一 「旅愁」
...お蔦は、蚊(か)いぶしを、床のわきにおいて、「土肥さんは、召飲(あが)れないのでしょう」「どうも、一向」「お気の毒ですよ、兄さん、はやく、あの品物を、返して上げてください」と、健吉へ、縋(すが)った...
吉川英治 「松のや露八」
...板新道のお蔦からである...
吉川英治 「松のや露八」
...あなたの先生は」「もう、お蔦のことは、云ってくれるな」「そんなに、嫌(きら)いになったのですか」「好きで好きでたまらない、嫌いで嫌いでたまらない...
吉川英治 「松のや露八」
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